「耐暑性」と「耐寒性」

雑学

室内で育てる水耕栽培。外より環境が安定しているとはいえ、野菜にはそれぞれ「耐えられる温度の限界」があります。
これを無視して育てると、夏に根腐れしてドロドロになったり、冬に寒さで枯れてしまったりします。まずは目安となる基本の言葉を知っておきましょう。

耐暑性(たいしょせい)とは

文字通り、暑さに耐える力のことです。
一般的に、最高気温が30℃以上の「真夏日」や、35℃以上の「猛暑日」になっても、バテずに育つことができる性質を指します。
※水耕栽培では、この気温になると水温も上がり酸欠になりやすいため、この力がない野菜は夏越しが難しくなります。

耐寒性(たいかんせい)とは

寒さに耐える力のことです。
一般的に、気温が0℃を下回る冬の屋外で、霜が降りたり土が凍ったりしても、細胞が壊れずに生き残る性質を指します。
※室内の窓際は、夜間に外気と同じくらい冷え込むことがあるため、この「霜に耐える力」があるかどうかが冬越しのカギになります。

当サイトの「お野菜の記事」で各野菜の「お野菜データ」にある気温分類という項目には、耐暑性・耐寒性のある野菜には表記してますので、お役立てください。

性質別の代表的お野菜をご紹介

室内水耕栽培で人気の葉野菜を、温度への強さで分類しました。

  1. 高温性野菜 × 耐暑性【あり】
    代表:空芯菜(クウシンサイ)

特徴: 暑ければ暑いほど元気! 真夏日や猛暑日が続いてもグングン育ちます。水温が高くても根腐れしにくい、夏の室内水耕の救世主です。

  1. 高温性野菜 × 耐暑性【なし】(猛暑が苦手)
    代表:大葉(シソ)

特徴: 夏野菜ですが、日本の近年の「猛暑日(35℃以上)」のような極端な暑さは苦手です。
注意点: 気温が高すぎると葉が硬くなったり、水温上昇による酸欠で根腐れを起こしたりします。「暖かいのは好きだけど、暑すぎるのは無理」というタイプなので、夏場は直射日光を避けた涼しい場所で管理しましょう。

  1. 冷涼性野菜 × 耐寒性【あり】
    代表:小松菜

特徴: 寒さに非常に強く、霜が降りるような0℃以下の環境でも枯れずに耐えます。寒さに当たることで葉が凍らないように糖分を蓄えるため、甘みが増しておいしくなります。

  1. 冷涼性野菜 × 耐寒性【なし】(霜が降りるとアウト)
    代表:レタス(サラダ菜)

特徴: 涼しい気候を好みますが、小松菜のような「凍結への耐性」はありません。
注意点: 0℃近くになって霜に当たると、葉の細胞が壊れてドロドロになってしまいます。冬に育てる場合は、窓際の冷気から離し、最低でも10℃以上を保てる暖かい場所が必要です。

  1. 耐暑性も耐寒性も【あり】(最強のタフ野菜)
    代表:ネギ(万能ねぎ)

特徴: 真夏の猛暑から真冬の霜が降りる寒さまで耐え抜きます。1年中いつでも始められる、失敗知らずの優等生です。

  1. 耐暑性も耐寒性も【なし】(デリケートなお嬢様)
    代表:ミツバ

特徴: スーパーでよく見かけますが、実は「暑いと溶け、霜が降りると枯れる」という、非常に繊細な性質です。
水耕ポイント: 猛暑日には暑さで根がやられ、冬の凍えるような寒さでは葉が枯れてしまいます。常に15℃〜25℃くらいの「人間にとって一番快適な温度」をキープしないと、なかなか機嫌よく育ってくれない野菜です。

まとめ:温度別の攻略法

自分の部屋の今の温度をチェックして、無理のない品種選びをすることが、室内水耕栽培を成功させる一番の近道です。