測定器:ECメーター

準備物

ECメーターの「EC」とは、Electrical Conductivity(電気伝導度)の略です。
とても簡単に言うと「水の中にどれくらい肥料成分が溶け込んでいるか(=肥料の濃さ)」を、電気の通しやすさで数値化してくれるアイテムです。

純水は電気を通しませんが、微粉ハイポネックスなどの肥料成分(塩類)が水に溶けると電気が通るようになります。この性質を利用して、培養液が「濃すぎないか」「薄すぎないか」を客観的な数値でパッと確認できるのが最大のメリットです。

要注意事項としては「μS/cm」と「mS/cm」の違いです。
ECメーターを買っていざ使おうとした時、一番最初につまずきやすいのが「表示単位」です。実は、機器によって表示される単位が違うことがあります。

主に使われる単位は以下の2つです。
μS/cm(マイクロジーメンス・パー・センチメートル)
mS/cm(ミリジーメンス・パー・センチメートル)

この2つの関係は、長さの「メートル(m)」と「ミリメートル(mm)」の関係と同じです。
【 1 mS/cm = 1000 μS/cm 】 と覚えておきましょう!
自分の持っているECメーターがどちらの単位を表示しているのか確認してみてくださいね。

水耕栽培における「EC値の標準値」

育てる植物の種類や成長段階によって適切なEC値は異なりますが、おおよその目安の例は以下の通りです。

  • 葉物野菜(レタス、ハーブ、小松菜など)
    • 発芽直後〜苗:0.5 ~ 1.0 mS/cm(500~1,000μS/cm)
    • 成長期:1.0 ~ 1.5 mS/cm(1,000~1,500μS/cm)
  • 実もの野菜(トマト、ナス、イチゴなど)
    • 苗の時期:1.0 ~ 1.5 mS/cm(1,000~1,500μS/cm)
    • 花が咲き、実がつく頃:1.5 ~ 2.5 mS/cm(1,500~2,500μS/cm)

※最初は薄め(数値低め)からスタートし、植物の様子を見ながら少しずつ上げていくのが、肥料焼け(濃すぎて根が傷むこと)を防ぐコツです!

知っておきたい!ECメーターの使い方「豆知識」

① 水道水の数値も計算に入れよう!
日本の水道水には、元々微量のミネラルが含まれています。測ってみると「0.1〜0.3 mS/cm」ほどの数値が出ます。厳密に肥料の濃さを知りたい場合は、「肥料を溶かした後の数値」から「元の水道水の数値」を引いたものが、実際の肥料分のEC値になります。

② 水が減ると、EC値は「上がる」
数日経って容器の水が減っている時、EC値を測ると作った時より数値が跳ね上がっていることがあります。これは「植物が水を吸った」ことと「水が蒸発した」ことで、残った液の肥料濃度がドロッと濃くなっている証拠です。この場合は、ただの水道水を足してEC値を標準値まで下げてあげましょう。

③ 液温によって数値は変わる
電気伝導度は水の温度が高いほど数値が高く、低いほど低く出る性質があります。多くのECメーターには「ATC(自動温度補正)」という機能がついていますが、より正確に測るなら室温(20〜25℃くらい)の状態で測るのがおすすめです。

まとめ

ECメーターは、水耕栽培における「車のスピードメーター」のようなものです。
勘に頼らず、適切な濃さで肥料を与えられれば、植物はもっと元気に、もっと美味しく育ってくれますよ。
水耕栽培を始めたい方は、ぜひECメーターを取り入れて、ワンランク上の栽培を楽しんでみてくださいね!