「高温性野菜」と「冷涼性野菜」

雑学

室内で手軽に楽しめる水耕栽培。でも、「同じ部屋で育てているのに、元気に育つものと枯れてしまうものがある」と不思議に思ったことはありませんか?

実は、野菜にはそれぞれ「好きな温度(生育適温)」があります。室内という限られた環境で効率よく収穫するために知っておきたい、「高温性野菜(こうおんせいやさい)」と「冷涼性野菜(れいりょうせいやさい)」の分類について解説します。

1. 野菜選びの基本「生育適温」とは?

野菜には、最も元気に育つ「生育適温」というものがあります。室内栽培は外よりも温度が一定ですが、「エアコンの効き具合」や「窓際の冷気」、「LEDライトの熱」によって、野菜にとっての快適さは場所ごとに大きく変わります。

自分の部屋が今、どのくらいの温度なのかを知ることで、その場所で育てるべき野菜が見えてきます。

2. 室内水耕栽培:高温性 vs 冷涼性 比較表

まずは、両者の違いを一目で確認してみましょう。

項目高温性野菜冷涼性野菜
イメージ夏野菜春・秋・冬野菜
生育適温(室温)23℃ ~ 27℃前後15℃ ~ 20℃前後
液肥の理想水温15℃ ~ 25℃
(冷えすぎに注意)
15℃ ~ 25℃
(高水温に注意)
代表例バジル、ミニトマトレタス、ルッコラ
暑すぎる場合元気に育つが、水の減りが非常に早いなど葉が苦くなる、茎ばかり伸びる(トウ立ち)など
寒すぎる場合成長が止まる、葉が黒ずんで枯れるなど成長はゆっくりになるが、耐えられる
室内栽培のコツ育成ライトの近くで熱を味方にする。
冬は窓際から離す。
エアコンの風を避け、できるだけ涼しい場所に。
夏場は水温上昇を防ぐ。

3. 25℃前後でグングン育つ!「高温性野菜」の特徴

夏場や、暖房の効いたリビングなど、暖かい場所を好むグループです。

  • 代表的な水耕栽培野菜: バジル、ミニトマト(矮性)、シソ(大葉)
  • 室内でのポイント: 寒さに非常に弱く、室温が15℃を下回ると成長が鈍り、10℃以下では枯れるリスクが高まります。冬場は冷気が入る窓際から離し、暖かい部屋の植物育成ライトの近くで育てるのがおすすめです。ライトの放熱も、彼らにとっては味方になります。

4. 15〜20℃でシャキッと育つ!「冷涼性野菜」の特徴

少し涼しい部屋や、春・秋の穏やかな室温で最も育てやすいグループです。

  • 代表的な水耕栽培野菜: レタス、ルッコラ、小松菜、二十日ダイコン
  • 室内でのポイント: 25℃を超える環境が続くと、葉が硬くなったり、ひょろひょろと茎だけが伸びる「トウ立ち」が起こりやすくなります。リビングよりも少し涼しい玄関先(※光量に注意)や、冬の窓際付近など、少し「ひんやり」した場所の方がシャキッと美味しく育ちます。

当サイトの「お野菜の記事」で各野菜の「お野菜データ」にある気温分類という項目には、高温・冷涼性野菜の表記と生育適温には、その室温を掲載してますので、お役立てください。

【豆知識】「夏野菜・冬野菜」と「温度」の意外な関係

ざっくり言うと、高温性=夏野菜、冷涼性=冬野菜と考えて間違いありません。

  • 外の畑(露地栽培)の場合:
    「夏に暑くなるからトマトができる」「冬に寒くなるから大根ができる」というように、季節(気温)が野菜の収穫時期を決めています。
  • 室内水耕栽培の場合:
    環境さえ整えれば、季節は関係ありません。真冬でも暖房が効いた25℃の部屋なら「夏野菜のバジル」が育ちますし、真夏でも冷房の効いた涼しい部屋なら「冬野菜のレタス」が育ちます。

「今の季節は何か?」ではなく、「今の室温は何度か?」で野菜を選べるのが、室内栽培ならではの面白さなのです。

5. 水耕栽培ならではのチェック事項

土耕栽培と異なり、水耕栽培で最も気をつけるべきは「液肥の温度(水温)」です。理想の水温は15℃ ~ 25℃です。

  • 水温が10℃以外になると根から栄養を吸い上げる力が低下し成長がとまることもあります。容器の下に断熱マットを敷くなどの工夫が有効です。
  • 水温が30℃を超えると水中の酸素が減り、「根腐れ」の原因になります。夏場はこまめに水を交換するか、保冷剤などで対策が必要です。

「室温」だけでなく、「水温」も野菜の好みに合っているか意識してあげることが、水耕栽培成功の隠れたコツです。

まとめ:自分の「部屋の温度」に合わせて野菜を選ぼう

室内水耕栽培の強みは、ある程度環境をコントロールできることです。

  • 暖かいリビングなら: 夏野菜タイプ(バジルやシソ、ミニトマト)を。
  • 少し涼しい寝室や廊下なら: 冬野菜タイプ(レタスやルッコラ)を。

野菜の「得意な温度」に合わせて置き場所を選んであげるだけで、野菜は見違えるほど元気に育ってくれます。まずは室温計をチェックして、あなたの部屋にぴったりの野菜から始めてみませんか?