前回の記事では「野菜には暑がりと寒がりがいる(高温性・冷涼性)」という温度の話をしました。
しかし、エアコンで室温管理をしているのに「なぜかヒョロヒョロと弱々しく育つ」「葉の色が薄い」という経験はありませんか?
その原因は、温度ではなく「光の強さ(照度)」のミスマッチかもしれません。今回は、限られたスペースの室内水耕栽培だからこそ知っておきたい「陽性・半陰性・陰性」という光の分類について解説します。
混ぜるな危険!「温度の分類」と「光の分類」
「暑さが好きな夏野菜(高温性)なら、強い光(陽性)も大好きだ」と思っていませんか?
確かにその傾向は強いのですが、室内栽培でこの2つを混同すると、思わぬ失敗を招きます。
室内では「温度は確保しやすいが、光は不足しがち」という特徴があるからです。
なぜ「温度」と「光」のバランスが崩れると危険なのか?
植物にとって、温度は「アクセル(代謝を上げて成長しようとするスイッチ)」、光は「ガソリン(成長するためのエネルギー源)」のような関係です。
- 温度が高い(アクセル全開): 植物は「暖かいぞ!どんどん大きくなろう!」と呼吸や代謝を活発にします。
- 光が弱い(ガス欠): しかし、光合成でエネルギーを作れないため、体を作る材料が足りません。
- 結果(徒長): 植物は必死に光を求めて、茎だけをヒョロヒョロと細長く伸ばしてしまいます。これがいわゆる「徒長(とちょう)」です。
「暖かい部屋に置いているのに元気がない」という場合、温度というアクセルに対し、光というガソリンが追いついていない「混ぜるな危険」の状態に陥っている可能性が高いのです。
数値で理解する「3つの光分類」と室内での選び方
感覚的な「明るい・暗い」ではなく、「光飽和点(これ以上光が強くても光合成量が増えない点)」で分類します。室内水耕栽培における照明選びや配置の参考にしてください。
室内水耕栽培での主な野菜:レタス類、小松菜、ルッコラ
光飽和点: 20,000〜30,000 lx 前後
※レースカーテン越しの窓辺や、一般的なLEDライトの環境。
特徴
直射日光も耐えますが、そこまで強い光でなくとも、一定時間(1日3~4時間以上)の照射があれば健全に育ちます。室内水耕栽培で最も失敗が少なく、初心者におすすめの野菜が多いです。
渡辺農事 ニコル ルッコラ コート種子約200粒 【郵送対応】 価格:330円 |
室内水耕栽培での主な野菜:ミツバ、シソ(大葉)
光飽和点: 10,000〜15,000 lx 以下
※北側の窓辺や、部屋の少し奥まった場所、キッチン周りなど。
特徴
弱い光でも効率よく光合成できる省エネタイプです。逆に、LEDライトを至近距離で当てすぎたり、直射日光に当てると「葉焼け」を起こしたり、葉が硬く不味くなることがあります。
野菜種子 シソ「大葉青しそ」5ml(約1,500粒)(サカタのタネ)【送料込み】おおばあおしそ 紫蘇 和風ハーブ 薬味 価格:530円 |
まとめ:栽培計画への活かし方
「うちは日当たりが悪いから…」と諦める必要はありません。また、すべての野菜に高出力のLEDライトが必要なわけでもありません。
【室内レイアウトのコツ】
限られたスペースやライトを有効活用するために、以下のような配置を意識してみましょう。
- ライトの「真下」一等地:
ここにはミニトマトやバジル(陽性)を置きます。 - ライトの「周辺」や少し離れた場所:
中心から外れた場所にはレタスや小松菜(半陰性)を配置。 - ライトの影や棚の下段:
光が届きにくい場所にはミツバやシソ(陰性)を配置。
このように、野菜ごとの「光の好み」に合わせて場所を決めるだけで、電気代もスペースも無駄なく、美味しい野菜を収穫できるようになりますよ。
